湯雨竹ひょうたん温泉
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  湯雨竹施工日記  
 
熱すぎてそのままでは入浴することができない源泉のお湯を、温泉の“泉質”や“鮮度”を損なうことなく加水なしで冷ますことができる竹製温泉冷却装置「湯雨竹」が日本一の湧出量を誇る湯のまち・別府の温泉施設で誕生した。クーリングタワーなどの冷却装置がすでに存在しているにもかかわらず、温泉施設の経営者は、なぜ既存の装置を導入しなかったのか。開発者たちは、なぜ自然素材にこだわったのか。「湯雨竹」開発の背景には、100%源泉かけ流しの温泉を愛し続けた男たちのドラマがあった。

夜9時閉店の温泉施設「ひょうたん温泉」

 平成9年、満天の星がまたたく夜。中年の女性二人が、別府市鉄輪(かんなわ)温泉の通りを、憤まんやるかたないという表情で歩いていた。
 「夜9時に温泉施設が閉店するなんて信じられないわ」
 「ホントに驚いちゃうわねえ。銭湯だって11時まで営業してるっていうのに…。別府の人たちって、やる気ってものがないのかしら」

 彼女たちは東京からやってきた観光客で、別府観光を満喫している最中である。今日も朝からガイドブックを片手に、市内の観光名所をまわり、夕食をとった後で、鉄輪で有名な温泉施設「ひょうたん温泉」に入ろうとやってきたのだ。
 ところが、すでにひょうたん温泉は閉店していたのである。時刻は9時15分。入浴するには遅すぎるという時間帯ではない。
なぜ、ひょうたん温泉は、こんなにも早く店じまいをしてしまうのだろうか。実は、これにはどうしようもない理由があった。
 その理由とは、ひょうたん温泉の源泉が100℃もあるということだ。そう、ひょうたん温泉は閉店時間に「溜め置き」でお湯を冷ましていたのだ。
 湯が熱いなら「水を入れて冷やせばいいのでは」と普通は考える。実際、全国各地の源泉が高温な温泉では、加水して温度を下げている。加水して温度を下げさえすれば、いつでも営業できる。なにも夜9時という入浴時間帯に閉店しなくてもいいし、営業面からも得策であると思われる。それでもひょうたん温泉ではかたくなに加水を拒み、夜9時閉店をずっと守り続けてきた。
 「ひょうたん温泉」と「金龍地獄」を経営する株式会社ユーネットの河野純一社長は次のように語る。
 「加水をすれば、せっかく別府まで来ていただいたお客様に、温泉本来の良さを感じていただくことができなくなってしまいます。加水して泉質が薄くなった温泉では、ただの大きなお風呂と変わりません。確かに営業時間を延長した方が利益は上がるかもしれませんが、それではお客様を裏切ることになり、これまで培ってきたひょうたん温泉の信用に傷を付けてしまうことにもなります。そんなわけで、私たちは原則として加水なしの源泉100%を守り続けてきました」
 ひょうたん温泉では夜9時の閉店後に、1時間ほどかけて掃除を行い、その後浴槽に温泉を入れ、翌朝8時まで約10時間をかけて冷やしてから開店するという。つまり、温泉の温度を冷やすためには、どうしても夜9時に閉店せざるを得ないのだ。
 こうまでしても夏場は気温が高いため、温泉が冷えない時がある。その時だけは仕方なく「断腸の思いで水を入れました」と河野社長は告白する。
 実直な経営者にすれば、こんなに辛いことはなかっただろう。夏の加水については尋ねられれば正直に答えていたし、加水量も必要最低限であったためか、入湯者のだれにも非難されることはなかった。しかし、だからこそ生まれる自責の念が、河野社長自身を苦しめ続けた。
 すべてに経済効率が優先される時代の中で、源泉100%にこだわり、夏場を除いて加水なしで真面目な経営を続けていたひょうたん温泉ではあったが、この当時から出現し始めた温泉マニアと呼ばれる人々の一部からは、別の苦情が寄せられていたという。

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